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『数えずの井戸』

2025/09/23
京極作品を読んだことのある方はご存じですが、あの方の本はどれも分厚い。電車で読むにはとっても不向きなくらい厚い。その上、段組になっているものが多くて、活字中毒の人間にはたまらない好物です。これが高じてきてしまい、薄めの本(=通常の厚さ)では物足りなくなってしまうと言う活字マニアになってしまいました。

それで読んだのが、相変わらず厚い『数えずの井戸』です。

有名な皿屋敷のお話、京極バージョン。番町とも播州とも言われる皿屋敷ですが、どうしてもおどろおどろしいイメージが先行してしまいがちでした。物悲しいイメージもあるのですが。

どこか妖怪やこの世ならぬモノの仕業にしたいような、そんな想いでした。

でも、読了後、なるほどなぁ、そういう見方もできるんだなと、納得。怪しきモノの所為になどしないで、ヒトの為した事として、彼岸でなくてこちら側の話として落としてくれました。

バラバラになっていた欠片が、だんだんとある特定の形に収まっていく面白さに、読書の醍醐味を感じながら、それってまた別の視点から見たら、生きていくことにも繋がっていくんだろうなとも思ったり。一見したら意味のないことをしているのかもしれないけれど、それがやがて最後の大団円に向けての重要な鍵かもしれない。な〜んて、思ってみたりします。

それにしても、《井戸》って異界へのキーワードなんでしょうか。そもそも《水辺》は異界との接点だったりしますよね。また気になってきました。

今日もまた、お読みいただきましてありがとうございます。

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